小壜少年[8]
2009.08.02 Sunday

僕は彼の研究がどんなものだかは知らない
だけど、彼が体を人工的に作る研究をしていたのなら
体は再生できる
新しい研究
だとしたら小壜に入っていたのは セナ の 心
または記憶
そう考えると少しは納得できる
彼は僕が拾ってきてから少しも変化がなかった
なんらかの技術であの壜の中に存在しているんだろう
ただの情報が目に見える形になっているだけなのかもしれない
僕は壜のコレクション がはいっている方 じゃない
もう一つの引き出しを開ける
そこにはセナ
いつの間にか僕に笑いかけてくれるようになった
あの時、偶然新しい壜を海辺で手に入れてよかった
そして 偶然割れてくれてよかった
僕の秘密には今、頑丈に蓋が閉めてある
僕だけの宝物
僕は多分これから大人になり
君を壊したくなる時 が来るだろう
大人の僕はセナをどうするだろう?
その時まで
君は
永遠に
僕の
もの
小壜少年END